こんにちは。
もうすぐ11月。今年もあっという間ですね〜。
Kindleを開いたら、Kindle Unlimited のおすすめにこの本が出てきました。途中ゾクッとしながらも一気読みしました!
これまで全然知らなかった、でも皆が必ず通る道のことを知ることができました。
タイトル 「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」
著者 下駄華緒(原案)、蓮古田二郎(漫画)
出版社 株式会社 竹書房
出版年 2021年
ページ数 128ページ
著者(原案)の下駄華緒さんは、バンドの先輩が火葬場で働いていたことを知り、自身も火葬場で働き始めました。その後、ヘッドハンティングされて葬儀社で働きました。
2018年、「ぼくたちのいるところ。」というバンドのベーシストとしてデビューします。
2019年、竹書房主催の「怪談最恐戦」で優勝し「最恐位」の称号と100万円を獲得しました。
2020年にはYouTubeチャンネル「火葬場奇談」を開設します。現在(2023年10月)、チャンネル名は「下駄のチャンネル」に変更され、登録者数は8.6万人となっています。
火葬技術管理士1級の資格もお持ちだそう。
多方面に才能を発揮されています。
著者(漫画)の蓮古田二郎さんの絵は全体的に可愛らしく、火葬中のご遺体などはおおまかに描かれているため、読み進めることができました。
- 表立って語られることの少ない、火葬場職員の仕事について知りたい人
- 火葬場で起こるさまざまな出来事について知りたい人
登場人物
- 下駄華緒…主人公。新米火葬場職員。
- 尾知しげる…大ベテランの火葬場職員。
- 浦田天一…先輩の火葬場職員。焼きのスペシャリスト。
- 堀田すげ子…尾知さんと同期のベテラン女性職員。
- 鬼瓦もも子…下駄くんの後輩の火葬場職員。
この本のポイント3つ
火葬場の職員がご遺体を焼く
この本を読むまでは、ご遺体を炉の中に入れれば、全自動で焼き上がると思っていました。
実際はそうではなく、火葬場の職員(火葬技師)が炉裏(焼き場)で時々炉内を観察し、ご遺体が完全に焼けるように調節しているのです。
第1話で、尾知さんが、炉についている小窓からご遺体の焼け具合を確認し、デレキという棒を小窓から入れ、ご遺体の姿勢を整える様子が出てきます。
ご遺体は60代後半の男性で、死因は事故死でした。
下駄さんが初めて見た、火葬中のご遺体は…
血を噴き出しながら、起き上がって座っていたのだ。その後信じられない事に、ぐーっと上半身をよじって徐々にこちらを振り返り、僕の目を助けを求める様に見つめてきたのだ。
「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」より
下駄さんはご遺体が動いたことで生き返ったとパニックになりますが、尾知さんが説明します。
人間は焼くとスルメの様にクネクネ動くこともある。その動きは人それぞれで実に様々な動きをする。
「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」より
尾知さんは、このご遺体を、デレキを使って気をつけの姿勢に整え、火葬を完了させました。
身寄りのない遺骨は火葬場で保管される
孤独死という言葉がよく知られているように、最近は身寄りのない人が亡くなることが多いです。
身寄りのないご遺体は、市町村が火葬します。その後、遺骨は番号をふられて火葬場の霊安室に保管されます。
保管している間に、遠い親族が遺骨を引き取りに来ることもあるため、定期的に火葬場職員が骨つぼを並べなおしています。
数年経っても引き取られない場合は、無縁塚に合同埋葬されます。
火葬場が骨つぼの保管場所になっているのは知らなかった…
本の中では、並べなおした骨つぼの番号がたまたま…?
「96」「41」「88」「9」… クルシイハヤク…
となっていて、その場にいた下駄くんと鬼瓦さんの気持ちは沈んでいきました…
火葬場にまつわる都市伝説
火葬場にまつわる都市伝説に、「火葬中にご遺体が生き返っても、もう助からないからそのまま焼く」というものがあります。
まさに火あぶりの刑…!恐ろしい…!
でもこれは全くのデタラメだそうです。その理由は2つ。
- 日本では、死後24時間は火葬を禁止している
- ドライアイスにより、ご遺体は致死レベルを超えて凍結する
この2つの理由で、ご遺体は確実に亡くなっている、と言えます。
でも、それでも、万が一ご遺体が生き返ったら…?
我々火葬技師は…
絶対に火を止めます!
「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」より
感想
火葬場にはこれまでの人生で2回しか行ったことがなく、火葬のことは全く知りませんでした。
この本を読んで「人間は水の入った袋。いずれ死んで焼かれて、骨と灰になる」という事実を身近に感じることができました。
いつかはみんな骨と灰になるんだから、それまでの生を、心から望むように送ろう、できるだけ多くの経験を積もう、と改めて思えたのです。
そして、下駄さんをはじめ火葬場職員の方々が、炉裏で汗びっしょりになりながら、ご遺体を焼いてくださるおかげで、ご遺族はきれいな遺骨を持って帰ることができるということを知りました。
火葬場職員の方は日々心を込めてご遺体を焼いているんですね。
いずれ遺族として火葬場にお世話になる時は、この本のことを思い出して、職員の方に感謝の気持ちをきちんとお伝えしたいと思いました。
そんなこと書いてて、自分が1番先に逝ったりして。
ちなみに、副葬品にメロンが入っていると、火葬後に良い香りがただようそうです。
他のおすすめ本
「最期の火を灯す者 火葬場で働く僕の日常」は、現在第3巻まで発売されています。
シリーズ累計8万部突破!
Kindle Unlimited を使うのがおすすめ
この本は、Kindle Unlimited を使って読むこともできます(2023年10月現在)。
Kindle Unlimited に登録していれば、月額料金だけで利用できます。
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